上司は優しい幼なじみ

それもそのはずだった。

「っ!!!???ちょっと!!!何してるの!!??」

だって、三人がニヤニヤしながら仲良く顔を覗かせていたのだから。

反射的にたっくんの体を押し、彼は両手を後ろについて体重を支える。
私の声にたっくんもドアの方を振り向くと、気まずそうな顔を見せた。

「拓海くんってば、ホントいい男!!」

どこから見ていたのかわからない。
でもお母さんのこの言葉、お父さんや優斗の表情からして、きっと…

「うちのことなんて気にしないで、どんどんやっちゃっていいのよ?」

あんなとこやこんなとこも、見られていたに違いない。

もし、たっくんがあのまま止めていなかったら…

そう思うだけで、恥ずかしさと気まずさで今後一切帰省なんてできないところだった。

「もう!やめてよ変態!!」

クッションを思い切りドアに向かって投げつける。

「陽菜も大人になったのね」

「う、うるさい!!」

たっくんは終始、恥ずかしそうに項垂れているのであった。