上司は優しい幼なじみ

「けけけ結婚だなんて!!話が飛躍しすぎですよ!!」

「えーでも、いずれはそうなるんでしょ?」

「そ、それは…」

全然考えてもいなかった。
昔から知っている存在で、大人の恋が実り、今は今で満足している。

将来の話なんてしたことないし、たっくんがどう思っているのかもわからない。

「岡田さん、頑張って。応援しているから」

「山本さん…」

かつてはたっくんの恋人だった山本さん。
結婚まで考えていたという二人の関係性を知っているからこそ、その言葉に何て答えたらいいのかわからなかった。

「んもーそんな顔しないで!私はもう終わった人間だから!結婚は羨ましいとは思うけど、今更彼とどうなりたいとかなんて、これっっっっぽちも思っていないんだからね!?」

真由美ちゃんは、二人が過去に付き合っていたことは知っている。
どこかのタイミングで私が話した。
ついでに言うと、私とたっくんが幼馴染だってことも知っている。

「だから、頑張って!私がつかみきれなかった幸せ、私の分までしっかり自分のものにしてきてね」

まるですぐ先の未来に’結婚’が待っているかのように後押しされる。
ふと、黙り込む真由美ちゃんの姿が目に入った。