上司は優しい幼なじみ

ズボンは履いているが、上は何も身に着けておらず、締まった綺麗な肉体が露わになっている。
こんな綺麗な体に抱かれたんだと、相変わらず私の脳みその変態化は止まらない。

「陽菜…起きたらどこにもいないから、心配したよ」

その恰好のまま容赦なく私を抱きしめた。

「たたたたたっくん!!」

「どこに行ってたの?」

無理やり体を離す。
淡々と話を続けるたっくんだが、「とりあえず服を着て!」と彼の腕を引いて寝室に押し込んだ。

姿を現したたっくんの上半身は覆い隠されていて、ほっと胸を撫でおろす。

「もう、びっくりしたよ…あんな格好で来るなんて」

「びっくりしたのは俺の方だよ。急にいなくなるしさ。で、何していたの?」

私は手に持っていた買い物袋を彼の目線の高さまで上げた。
首を傾げて把握できていなさそうだった為、口を開いた。

「朝ごはん…作ろうと思って」

するとたっくんは目を丸くして、やがてふわりと優しい笑みを浮かべた。

「すげー嬉しい」

「ぱぱっと作っちゃうから、たっくん先シャワー浴びてなよ」

「あぁ、そうする」

浴室に向かったのを確認して、キッチンで準備を始める。
まな板を取り出すが、不思議なほどに綺麗だった。
新品とまではいかないが、この状態だと…全く使っていないな。