上司は優しい幼なじみ


届いたメールに目を通していると、社内用フォルダに新規メールが届いていた。

---歓迎会のお知らせ

メールを開いてみると、私と真由美ちゃんの歓迎会を商品企画部で行うといった内容だった。
私に関しては、丁度入社時期が繁忙期でバタバタしていた関係もあり、同時開催に至ったという旨が書かれている。

メールの送り主は半田さん。

私は迷わず’参加します’と返信した。




午後の業務に気合を入れるため、そういえばまだ飲んでないと思い給湯室にコーヒーを取りに行った。
入ろうとしたところで、中から声が聞こえ思わず足が止まる。

「大川係長は、歓迎会来てくださるんですか?」

「あぁ、そのつもりだよ」

…っ!!
たっくんと真由美ちゃんだ。

聞き耳を立ててしまうことに罪悪感を残しつつ、その会話の続きを待った。

「そうなんですね!嬉しいです!よく飲まれるんですか?」

姿は見えない。見ようとしたら多分気づかれる。

「車通勤だから仕事終わりよりも家で飲むことの方が多いかな。誰かと飲むときは日程決めてその日は電車通勤にしたりしてる」

「へー!車で来られてるんですね!よかったら今度二人で飲みに行きませんか?」

え、真由美ちゃん!?

---ガタンッ

動揺で音を立ててしまった。
息を止め、口に手を当てる。

一か八か、思い切り走りだした。
角を曲がれば隠れられる。

そう思ったのに…

「きゃっ!!」