上司は優しい幼なじみ

真由美ちゃんおすすめのパスタ屋はお昼時ということもあり少々混雑気味だったが、何とかギリギリ席に案内してもらえた。
オフィスから近く、雰囲気も良くて一人でも来れそうなお店だった。

「ここのパスタ、ランチセットが安くてお勧めだよ」

好きなパスタとサラダ、スープがついたランチセット。
700円と書いてあり、確かにかなりお得だった。

「じゃあ、きのこクリームパスタにしようかな」

「うんうん!間違いないね!じゃあ私は、ジェノベーゼにしよっと」

着席してすぐ置かれたお冷を一口飲む。
真由美ちゃんは柔らかそうな髪をふわっと片耳にかけた。

「陽菜ちゃんって、中途採用?」

「うん。今年入ったばかりの新米です」

「そうなんだー!でも、商品企画部の歴としては陽菜ちゃんの方が先輩だから、色々教えてね?」

無邪気な笑顔を向ける。女の私でも見とれるくらいだから、きっと男性からはモテモテなのだろう。

「そんなそんな、私なんてまだ全然…山本さんと半田さんが業務のフォローに入るらしいから、是非二人に頼ってみてよ」

そんな話をしていると、セットのサラダとスープがやってきた。
スープは日替わりで種類が変わるらしく、今日はコンソメベースの卵スープだった。