お昼の時間になった。
山本さんに声をかけるが、急ぎで終わらせないといけない仕事があるらしく、食堂に向かうためエレベーターの列に並ぶ。

「あ、いたいた!岡田さん!」

遠くから声がして目を移してみると、宮田さんが弾けるような笑顔で、プードルのように小走りで駆け寄ってきた。

「宮田さん、お疲れ様です」

「今からお昼ですか?よかったら一緒にどうです?私、おいしいパスタ知ってるんです!」

今日のラーメンは何かなと内心わくわくしていたのもあり、外食かぁと思ったが、同い年の宮田さんと距離を縮めるチャンスでもあり快諾した。

そのままエレベーターに乗り込み、1Fまで降りてオフィスから出る。


「私、お昼は社食使うことが多くて、あまり外に食べに行かないので新鮮です」

「あ、そうなんですね~。てか、お同い年なんだし敬語やめにしません?」

そう言われ、少し戸惑った。同い年と言っても私より歴が長いわけだから、慣れ慣れしくしていいものなのか…

「あとついでに、宮田さん呼びも却下!距離感じるから、下の名前で!」

ぐいぐいと距離を詰めてくる彼女。
その勢いに圧倒されながらも、明るさを羨ましくも思った。

「わ、わかった。真由美ちゃん」

「やったー!嬉しい!陽菜ちゃん!」