宮田さんは戻ってくるなり、柔らかい髪をなびかせながらまるでプードルかのように私の元に駆け寄ってきた。

「岡田さん岡田さん、よろしくお願いしますね!私、たぶん岡田さんと同い年なんですよ」

「えっ?」

思わず立ち上がりその顔を見つめた。
確かに同じくらいかなーとは思っていたけれど。

「異動前の面談で、係長と何度かお話したことあるんです。その時に、’同年代の人いますか’って聞いたら、’岡田さんが同じくらいじゃないか’って」

生年月日を聞いてみると、本当に同い年だった。

宮田さんは新卒でこの会社に入り、異動する今日までずっと広報部にいたらしい。
同い年だけど、私より先輩にあたる存在だ。

山本さんや半田さんという優しくて話しやすい先輩や、たっくんという頼もしい上司がいて仕事しやすかったものの、同年代の同性がいるのはやはり嬉しかった。


「本当に、よろしくお願いしますね!山本さんも、お会いできて嬉しいです!以前社内報で山本さんのインタビューが掲載されたとき---」

いつの間にか山本さんと盛り上がっていた。
宮田さんのコミュニケーションスキルに驚かされる。

彼女は’世渡り上手’な気がした。