好印象な挨拶に、一気に拍手が沸き起こった。
頭を上げた宮田さんと目が合い、軽く会釈された。

「宮田さんはまだ社内広報の業務が少し残っているから、最初のうちは兼業という形になると思います。山本さん、半田さん、彼女のサポートよろしくお願いします」

締めたのはたっくんだった。
兼業か…それは大変そうだな。


宮田さんのデスクは半田さんとたっくんたちの方の島だった。

朝礼が終わり各々業務に取り掛かり始めると、たっくんと宮田さんが一緒にフロアから出ていった。
おそらく会議室で打ち合わせがあるのだろう。

画面に向き直り作業を進めていると、山本さんから声がかかる。

「ねぇねぇ、知り合い?」

「あ、前に動画撮影したじゃないですか、その時の現場にいたんです、宮田さん。軽く挨拶したくらいだったんですけどね」

「そうなんだー。なんか、雰囲気岡田さんに似てたね」

その言葉にキーボードから手が滑り、画面が誤字だらけになってしまった。

「え、そうですか?」

宮田さんはボブで緩いパーマだけど、私は胸上くらいで毛先を軽く外ハネにさせているだけで、アレンジと言えるほどでもない。
身長もほぼほぼ同じだったが、似てるとは思わなかった。

「雰囲気よ雰囲気、小動物的なね?」

「小動物…ですか」

今までそんなこと、言われたこともなかった。