上司は優しい幼なじみ

「でもまぁ、よかったよ本当に。大川に泣かされたらまた相談乗るから、その時は言ってね」

頭にぽんと優しく手を置かれ、その行為に驚いた私は目を丸くする。

「おっと、ごめんごめん!」

手はすぐ降ろされた。
頭にほんのり感覚が残る。

「岡田さん、妹に似ててさ、つい!」

「妹さんいるんですか?」

「そうそう。4つ離れた妹ね」

…と、言うことは。

「私、同い年かもです」

「あ、そっか。じゃあ本当に、妹だ」

爽やかに笑う彼に対し、本当にどうしてこの人に彼女がいないのか不思議に思う。
半田さんを噂している女性社員を何人か見たこともあり、社内でも結構モテる方だろう。
もしかして、ハードルが高すぎるとか?

半田さんの顔を見ながらじっと考えると、ばっちり目が合った。

「ん?どした?」

「え?あっ、いえ何も!私そろそろ帰ります!」

データを上書き保存し、PCの電源を落とす。

「大川待たなくていいの?さっきすれ違って、すぐ戻ってくると思うけど」

---ガチャッ

噂をすれば。

「あ、半田。まだいたのか」

「おぉ。丁度いいところに。あ!そうだ!!」

…?