上司は優しい幼なじみ


帰りの社内。たっくんは動画掲載までの流れを説明する。

「動画編集後、広報部からうちに連絡が来る。そしたら一度メンバーを集めて内容確認するから。最終的には俺と、岡田さんのOKで掲載までいくことになる」

「え、私も?」

自分にそんな権限は…といった眼差しを彼に向ける。

「一応プライバシーもあるから。基本的には顔ははっきり映さない方向で編集進めてもらっているけど」

あ、なるほど。世の中に出す映像だから、出演者本人の了承が必要なんだ。



会社に戻ると、入れ違うかのように半田さんがフロアから出てきた。

「おっ、お帰り。撮影どうだった?」

「それなりに楽しかったです」

「そかそか。昨日ミーティングの時、岡田さんガチガチに緊張していたみたいだったから心配したよ」

白い歯をチラリと見せ、半田さんはそう言う。

「最初は緊張していたんですけど、セットに入ったらそれもなくなりました!」

「仕上がりが楽しみだなー」

席に戻り、隣で作業している山本さんに「ただいま戻りました」と声をかける。
すると彼女は私を見るなり目をキラキラさせながら口を開いた。