すると、バツが悪そうに頭を掻き、口を開いた。

「確かに、別れてからしばらくはまだ好きだったよ。でも仕事仲間としての距離感が一番丁度いいって思ったんだ。彼女のことを下の名前で呼んだのは…前に倒れた時とシチュエーションが全く一緒だったから、思わず」

「そ、そっか…。あと、どうして私のこと好きになってくれたの?」

気づいたら一方的なインタビューになっている。
たっくんは恥ずかしそうに、一瞬だけ私から目をそらした。

「最初は、幼馴染として、部下として接していたんだ。でも、陽菜がひたむきに頑張っている姿とか、時折見せる、その…女性らしい仕草とかに、気づいたら惹かれていた。だから陽菜が前に酔っ払った時、俺を半田だと思ってベタベタしてた時はムカついたし、俺の部屋で暑いからって服脱ぎ始めた時には勘弁してくれと思った。理性抑えるのに必死だったよ」

「あ、その節は…本当に失礼いたしました」

それにしても、女性らしい仕草…か。
自分がいつ何をしたのかわからないけれど、私を女性として見てくれていたんだと思うと、素直に嬉しかった。
意識していたのは私だけじゃなかったんだって。
仕事も、頑張ってきて本当によかった。


「たっくん、シャワー浴びるよね?着替えはないから申し訳ないけど、すっきりしていってよ」

床に散らばった下着と衣類を急いで身に着け、ガスを付けに行く。

「あぁ、ありがとう」

布団から起き上がったたっくんも裸で、全て見てしまいそのあと意識しまくったのは、絶対言えない…