上司は優しい幼なじみ

「いつもいつもすみませんね~!大好物でして」

「存じ上げておりますよ。私も以前、個人的に食べてみたのですが、餡がしっとりしていて甘すぎないので、お茶はもちろん意外とコーヒーにも合うんですよね」

「そうそう!さすが大川さん!わかってますね~!」

いつの間にか和気あいあいと会話が成り立っている。
たっくん、営業職もいけそうな気がする。

「まぁまぁ、座ってくださいよ」

「失礼します」

「し、失礼します!」

ダークブラウンのヴィンテージソファに腰を掛ける。
年季が入っていて、ところどころ表面に傷があるところがこの会社の歴史を物語っている気がした。


「先日お電話で簡単にお話伺いましたが、うちで請け負っている家具の素材を変更したい…とのことで?」

「えぇ、まずはこちらをご覧いただきたいのですが…」

資料をテーブルに並べ、うちの会社の方針を伝える。
随所に入る指摘にも難なく返答する姿を横で見ていると、彼がいかに’デキる男’かというのを実感する。

終始スムーズに話が進み、前向きに考え工場とも連携をとっていくということで纏まった。