上司は優しい幼なじみ

声の主は、あの長身イケメンだった。
あの人、結構若そうなのに係長なのか…
ふんわり日高部長といい、若い係長といい、この会社の役職は私のイメージしていたそれと正反対だ。

山本さんと係長がフロアの隅で何やら話し込んでいる。
こうして見ると、とても絵になる二人だ。

業務中なのに手を止めぼーっとその様子を見ていると、係長と話していたはずの山本さんがぱっと後ろを振り向いた。
目が合い、咄嗟に’まずい!’と思い逸らして再び画面に集中しようとすると、山本さんから声がかかる。

「岡田さん!ちょっとこっち来て」

「…え?あ、はい」

この二人の絵に私が入るのか。なんとも気まずい。

恐る恐る近づき、係長に軽く頭を下げた。
改めて、この人は背が高くてスタイルがいいなと思う。

「岡田さん、すごく呑み込みが早くて私もびっくりしちゃいましたよ」

山本さんからのお褒めの言葉に恥ずかしくなり目線を床に落とした。