駅までの道を、一人 トボトボ歩く。

駅に行っても 亮太はいない。


亮太は 私を 心配してくれたのに。

亮太を傷付けた。


亮太と過ごした時間が、懐かしく思える。
 

動物園で、吠えたトラに 驚く亮太。

図書館で、得意気に 勉強を教えてくれた亮太。


キスをした後 切ない目をして 抱きしめてくれた亮太。


エスカレートする亮太を 抑えた 私の手を そっと握ってくれた。
 



二ヶ月の間に、私達は たくさんのことを経験した。


二人とも 初めてで、手探りだったけれど。

スマートに リードもできない亮太だけれど。



私の心は、亮太への思いで いっぱいになっていた。


このまま別れるなんて嫌だ。


もし亮太が許してくれたら。



今度はもう少し、素直になれる。


亮太に もっと優しくできる。