走って教室に戻り、カバンを取ると 私は、逃げるように学校を出た。


私は、何を 怒っているのだろう。

でも止められなかった。
 

藤田は悪くない。

私を信用して 美佐子を 任せてくれた。


私なら 自分を見失わずに 美佐子を守れると 信じてくれた。

喜ぶべき言葉だったのに。
 


亮太に 反発したことで 私は とても傷ついていた。

だから 藤田の言葉を 素直に 受け取れなかった。


藤田は、訳がわからなかっただろう。

藤田のことを 好きだったのに。


藤田はきっと呆れている。