「リョウ、そろそろ休憩終了だよ。勉強しないと。」

抱き合ったまま 何度も キスを繰り返す亮太。

私が言うと、
 

「わかったよ。」

と亮太は、渋々私から離れた。
 


キスをしたことで 私達の集中は 途切れてしまう。

亮太は すぐに 私を抱き締めて キスを繰り返す。
 

「ヒロにさわると、良い気持ちになる。」

そう言って、私の 首や頬に触れる亮太。
 
「私も。リョウが触れると 熱くなるよ。」

初めての経験に 私達は 夢中になってしまう。


妖しい甘さは 体だけでなく 心にも 愛しさを溢れさせる。
 


「ねえ。もう少し。こうしていて いいでしょう。そうしたら ちゃんと勉強するから。」

私に キスを繰り返しながら 甘えた口調で言う亮太。

抗うことなど 私にできるわけもなく。


亮太にもたれたまま、私は頷く。
 


スマートじゃなくて テクニックもないキス。

二人とも、初めてだから。

手探りで。衝動に導かれるまま。


ぎこちないキスなのに。
 

一歩、踏み出してしまったから。




踏み込んだ世界は、あまりにも甘美で。



もう後戻りはできない。