卒業式以来 亮太とは、一度も 会うことがないままだったのに。 その日から 時々、亮太はホームにいた。 「また、寄り道して。」 亮太を見つけると、私は 立ち止まる。 「お前だって。遊んでいたくせに。」 そんな風に話す二人は 中学生の頃と変わらない。 私達は 他愛のない話しをしながら 一駅だけ一緒に帰る。 「じゃあね。」 と改札口を出て 別々に歩き出す。 ただの元同級生のまま。