いつものように 駅で美佐子と別れて ホームを歩いている私は、
 
「オスッ。」

と声を掛けられた。

驚いて 顔を上げると、中学の同級生の 中村亮太がいた。
 
「中村君。久しぶり。」

私は、立ち止まる。


亮太と会うのは、卒業式以来だった。



亮太は 昔と変わらない笑顔を、私に向ける。
 

「中村君、身長 伸びたね。」

中学生の頃、私と 同じくらいの身長だった亮太。

顔を上げて話す 違和感に 驚いて、私は言う。
 

「お前も、髪伸びたな。」

亮太は 少し顔を赤らめて 一瞬 何とも言えない 熱い目で 私を見た。