「ねえねえ。美佐子、昨日はどうだった。」

毎日は 平穏に過ぎていく。

9月が 終わりに近づいた頃、美佐子は とうとう、信太郎に家まで 送らせることに成功した。


「全く、信太郎って最低の奴だよ。」

教室に入ると、私は すぐに美佐子に聞いた。

美佐子は、意地悪な含み笑いをして言う。
 

「どうしたの。」

私は、もう一度聞く。
 

「あいつ、私にキスしてきたよ。」

美佐子は 事も無げに言う。
 

「えー。嘘。マジで。」


私は驚いて、大きな声を出す。

美佐子は、私の口を押える。
 


「ちょっと、順番に説明してよ。」

聞き返す私に、
 
「みんな来てからね。」

と、美佐子は 余裕の笑顔で答えた。