駅で 私を待っていた亮太。

私を見て 解放感と 期待を滲ませた笑顔を 向ける。
 

「リョウ 試験 どうだった?」

私が聞くと、亮太は
 
「バッチリ。ヒロは?」

と聞き返した。
 


「うーん。微妙。」

私は 言葉を濁す。
 
「何で?ちゃんと 勉強したのに。」

亮太は 心配そうに 私を見る。
 

「ちょっとね。気になることがあって。試験に集中できなかったの。」

私は、美佐子のことを 亮太に話すかどうか 迷っていた。

聞けば 亮太は また 私を心配するだろう。
 

「気になること?何?」

少し不安そうに、私を見て聞く亮太。
 
「美佐子のこと。リョウ、聞く?」

私は亮太に委ねる。
 

「聞かない方がいい話し?」

亮太は慎重な目で、私を見る。
 
「うーん。どうかな。でも 私の気持ち 前と違うから。聞いても大丈夫だと思う。」