一緒に 朝を迎えるって、どんな気持ちなんだろう。

温かくて、優しくて、幸せに包まれているのかな。


お互い、寝起きの顔を見て。

もっと愛しさが 増すのかな。
 


不安の先には 大きな幸せが あるのかもしれないけど。


でも、一度知ってしまったら。


その幸せを 知らない頃には、戻れなくなりそうで。

また二人で、朝を迎えたくなる。きっと。

私は、それも怖かった。
 

「期末、絶対、頑張らないとダメだね。」

と私が言うと 頷く亮太。

机の上で触れた手を、そっと滑らせる。
 


「リョウ。」

と、私が責める目をすると
 
「早く、ヒロ、抱きたい。」

と小さく言う。
 

「期末終わるまで、ダーメ。」

と私が答えると、亮太は『ハァ』とため息をつく。
 

「嘘。土曜日ね。でも ちゃんと勉強もしてね。」

と言って 私は亮太を見つめる。


亮太はコクリと頷き、教科書に目を落とした。
 

週末は必ず、私を抱く亮太。

若い体は、それでも足りなくて。


公園でするキスは、毎日熱く、激しくなる。


新しいおもちゃに 夢中になるように。
 


でも亮太は、私を 喜ばせることも 考えてくれる。


私の体だけが目的じゃないと、私を 安心させてくれる。



まだ、未熟な二人だけど。



私は 亮太の思いやりが嬉しかった。