2月の初め、私は 16才になった。
亮太は 細い金の指輪を、プレゼントしてくれた。
一緒に買いに行って、二人で選んだ指輪。
「リョウ、ありがとう。」
左手の薬指に嵌めて、私が 喜んで言うと
「大人になったら デカいダイヤモンド 買ってやるよ。」
と亮太は 照れて言う。
「うん。すごく大きいの 買ってね。」
私も甘い声で答える。
「任せろ。」
と言って亮太は、私の手を 握った。
週末は 必ず、亮太の部屋で 抱かれる。
抱かれる度に 亮太への愛しさが募る。
求められるほどに、愛されていると思えるから。
亮太は 結ばれてから 優しくなった。
だから私は 大切にされていると思えた。
美佐子のことで 亮太と喧嘩することもなく。