3学期は早い。
進路希望の面談。
新入生の入試。
期末テスト。
卒業式。
放課後、仲間達と 過ごさなくなったけれど。
学校の中では、相変わらず 賑やかな私達。
美佐子は、摘発されたクラブの従業員と 付き合い始めた。
『遠藤さん』というその人は 30代半ばで 家庭のある人らしい。
「えー。不倫。美佐子、大丈夫?」
美佐子の話しを聞いて、輝美が言う。
「大丈夫だよ。お互いに、割り切った関係だから。」
美佐子は平然と言う。
まだ16才なのに。高校1年生なのに。
「でも 奥さんにバレて、修羅場になったらどうするの。」
心配そうに言う千恵。
「レディコミじゃないんだから。そうなったら別れるし。」
と美佐子は 笑い飛ばした。
「遠藤さん、お金持っているから。色々、買ってくれるんだ。」
美佐子は 得意気に言うけれど。
私達はまだ 美佐子が言うような ブランド品なんか 欲しくない。
「30才過ぎて、高校生と付き合うって。遠藤さんって、どんな人なの?」
私が聞くと 美佐子は
「私、若くて。ピチピチしているから。自慢なんじゃない。」
と笑った。



