「大丈夫?」



ちらりとこちらに向けられた大きな目と、ふわりと漂う甘い香り。



「だ、大丈夫…デス」


「そう?なんかあったら言ってね。俺、お嬢のボディガードなんだからさ」



優しい。



「あの、1個だけ、いいかな」


「うん?」


「か、かれんじゃなくて、華蓮さんって呼んじゃ、ダメですか」



こんな奇跡みたいな人の名前を呼び捨てするなんて、恐れ多くてできないよ。



「え……いいけど、なんでも」


「あ…ありがとう」



そんな話をしているうちに、いつの間にか学校に着いていた。