手習い嫌いで、教養も無い。
だがしかし、これでも、右大将家の姫君なのである。

「大君様!まだ、終わっておりませぬ!さあ!」

半ば強制的に連れて行かれる。

「よろしいですか、大君様。貴女は、女御として、入内なさるのです。いつまでも、こんなことをなさっている場合では、ありませんよ」

古参の女房に叱られる。
もう、耳に、タコができそうだ。

そっと逃げようとすると、行く手を阻むように、女房達がズラリと並ぶ。
そうして、愚痴をこぼしながら、手習いをさせられるのであった。