「姫君、せめて、箏の琴くらいは、嗜むものです」

妹の若草と共に、箏を教えられた。
藤一条は、琵琶の名手だった。

手習いの成果を、と言うので、宴で披露することになった。

若草と桜が箏、藤一条が琵琶だった。

結果は散々。
藤一条は呆れていた。
右大将家の姫君には、ろくなのが居ないと、噂された。

「大君!どうしたことです!」

そして、また、母北の方に怒られる。