「ちょっといいかな?」

「ど、どうしたの?」

資料整理をしていた私の腕を強く引っ張る瑠衣に驚いてしまった。

「あいつには近づくな」
怖い顔をする瑠衣の顔を見て、何かがあったというのは分かる。

けれど、何故私に怒るのか分からない。

「あいつって誰の事? 私、何かした?」

「いいから!」

生徒会室から出ようとした瑠衣のことを止めようとしたけれど、出来なかった。


「大丈夫?」

「先輩……きっと大丈夫です」


下校時刻になっても瑠衣は戻ってこなかった。