わるいひと


妹は、校内であたしに話しかけてこない。

というか、高校に上がってからは妹と話したことさえない。


ときどき妹はあたしを睨む。


知ってるよ。

あたしが悪い。


妹はいい子だった。

妹に責任なんてない。


恨まれる理由もよく分かる。


でもさ、


妹には、


…瑠奈(るな)には、


全てを与えられた瑠奈には、


あたしの気持ちが分からない。


──理解する資格さえない。


だからあたしは、


瑠奈が虐められていても助けない。


だって貴女は、


何もしなくても、


ただ黙って泣けば、


助けてもらえるでしょ?


与えてもらえるでしょ?


無償の愛を貰えるんでしょ?


──あたしが欲しくて欲しくて堪らなかった、無償の愛が。