たっくんが立ち止まる。

私を支えてくれていた右手にぐいっと引っ張られてたっくんの胸の中にすっぽり収まる。

1日に二度もこんなことがあると狂ってる脳がさらに狂うよ。

歯車が噛み合わなさすぎて、本当におかしくなっちゃうよ。


「碧萌を保健室に連れていったのが男だって分かって、俺、動揺した。その後もずっとそのことばかり考えて授業に集中出来なかった。それで確信した。いや、本当は...本当はずっと気づいてた。俺は...俺は......碧萌が好きだ」


うそ...。

そ、そんな...。

それなら、何で...

何であの時...。


「碧萌が海のことが好きだって知ってたから俺は身を引いていた。2人が結ばれて碧萌が幸せになれればそれでいいって思ってた。だけど、あの日彼女が糸をぐちゃぐちゃにしてそうじゃなくなって、俺はもう一度考えた。ずっと考えてた。本当はあの日、碧萌があんな辛そうじゃなかったら、あんな顔してなかったら言いたかった。でも言わなかった。それで今まで来て...。考えて考えて考えて、俺はやっぱり碧萌を諦めたくないって思った。これが俺の結論なんだ。だから...碧萌...。俺が支えるから、俺がいつだって助けるから、俺がずっと側にいるから、海の代わりになるから...だから...付き合って下さい」