目覚めた時には茜色の空が窓から覗いていた。

お姫様だっこされて来たのだけれどそれ以降の記憶がきれいさっぱり抜け落ちていた。

ずっと居眠りしていたのだろうか。

体を起こし、カーテンを開けるとそこにはたっくんと夏帆ちゃんがいた。


「良かったぁ。やっと起きた!」

「碧萌、大丈夫?」


2人とも同じクラスだから心配して来てくれたんだ。


「碧萌のお母さんには先生から俺が送っていくって伝えてある。夏帆ちゃんにも途中まで付き添ってもらって帰ろう」

「でも、たっくん部活じゃ...」

「1日くらい休んだって平気だよ」

「それならお言葉に甘えて...」