私は潮さんを家庭科クラブに誘った。

料理も何にも出来ない私は花嫁修業のために入部したのだが、一年経っても未だにお握りもまともに成形出来ず、野菜を切るのに四苦八苦し、肉は気持ち悪くてほとんど触れない状況。

そんな私とは裏腹に潮さんはとても器用らしく、料理は手際よくこなし、裁縫をした際には1時間あまりでエプロンもトートバッグも作り上げた。


「すごいね、潮さん」

「こういうの好きなんです」


メガネの奥の大きなを瞳をキラキラさせて取り組んでいる潮さん。

この事実を突きつけられた時に私の予想は現実に100歩近づいた。