「大丈夫か?」


その言葉は私に向けられたのかと思いきや、違った。

潮さんはたじろぎながら海くんのその問いに頷く。


碧萌(みなも)も怪我ない?」

「うん、大丈夫だよ」


拓くんが私の手を引いて立たせてくれた。

私はスカートをパンパン叩きながら海くんが潮さんをひょいっと持ち上げて立たせるという心臓に悪い光景を見てしまった。

それと同時に悪い予感がした。

そしてその予感は奇しくも当たってしまう。