私の叫び声とほぼ同時に目の前に本物のヒーローが現れた。


「俺の大事な幼なじみに何してんだよ!」

「やっぱりやると思ってたけど、新しいクラスメートがこんな極悪人だらけだとは思わなかったな」


遅いよ...

海くん、

たっくん。


「か、海斗くん...」

「拓海くん...」


女子たちが凍りつく。

それもそのはず。

この学校で大人気のイケメン双子の砂原海斗と砂原拓海がやって来たのだから。

それで、私の幼なじみ。


「もうこんなことはしないでほしいな」


と、兄のたっくんが言う。


「そんな優しく言っても聞かねえよ、拓。もう二度とこんなことすんじゃねえ!分かったか?」

「は、はい...」

「分かったならとっとと失せろ!」


昔から勝ち気でケンカっ早い海くんは女子だと言うのに手加減なし。

女子たちは震え上がりながら自分の席に戻っていった。