空よりも海よりもキミのことを知りたかった。

まさか、サッカー部にあんなイケメンがいるなんて...知らなかった。

今までずっと損してたよ。

後輩?それとも同級生?

気になって気になってしょうがなくて、帰ることが出来なくなった。

いつの間にか私の瞳は彼を追っていた。

皆と同じ黒のジャージに、恐らく自前の青色のスパイク。

ビブスは赤の7番。

なんとしても名前を知りたい。

知ってから帰る。

と思っていたのだけれど、部室から夏帆ちゃんが出てくるのを目撃し、私は咄嗟に走り出した。

帰ったはずの人間がいては不自然だ。

見とれていたなんて言えない。

とはいえ、こんなにわくわくドキドキしながら疾走するのは久しぶりだ。

走るのは嫌いで運動会もいやいややっていたタイプだから、私がこんな気持ちになるなんて一生に一度あるかないかの奇跡的なことかもしれない。

私...

私...

一目惚れしたんだ...。

春風に運ばれてボールも彼もやって来た。

双子との恋より、いいかも。