その日の放課後、数メートルごとにマスコミがいるという特殊な状況の中俯きがちに帰ることになった。


愛川さんはその後マネージャーさんに向かいにこられ、仕事に向かったらしい。


詩央くんのことが本当に好きなのは分かったけれど、勝手なことされて完全にバレてしまったではないか。


とんだ勘違い女に好かれてしまったようだ。


ふと空を見上げると分厚い灰色の雲に覆われていた。


ドラマチックに雨に打たれたい気分だけど、雨は願わないことにしよう。


雨を願うくらいなら、晴れを願おう。


早くこの雲間から太陽が顔を出す時が来るように。


私に今できることは終息を願うことだけだ。