如月の空の下、光る君を見つけた。

そんな...。


これでは何を言っても無駄だ。


私は知らないと一点張りするしかない。


そうしないと帰してもらえなくなる。



「そうですか。そう言われても私は知りません。すみません、お力になれなくて」


「私こそ急に話しかけてしまいすみませんでした。また何か分かりましたらこちらにお電話下さい。どうぞよろしくお願いしますね」



私は丸山さんから一応名刺を受け取ったけど、すぐに破いて近くの公園のゴミ箱に捨てた。


さてと、これからどうしよう。


あの感じだとずっと張り込むに違いない。


2人で出てきた時に写真を撮るか、もしくは詩央くんが1人で出てきた時に突撃するか。


ふうむ。


悩むなぁ。


いやいや、悩んでいる時間はない。


詩央くんに連絡しよう。


私は詩央くんに電話をかけた。


しかし、20コールしても出ない。


最近学校にも来ていないし、恐らく仕事が忙しいのだろう。


なら、メッセージを送っておこう。


何もしないよりはマシだ。



"学校に来る時は気をつけて。週間文青の人が張り込んでる"



そしてもう1つ。



"私は言ってないし、これからも絶対言わない。私を信じて"