「聞きたいことってなんだ」



唐突に話し出す詩央くん。



「聞きたいことはね...。山ほどあるんだよね。何から聞こうかなぁ?」


「話す気なくなった。なんとしても帰る」


「帰る帰る言うなら帰りなよ。その代わり詩央くんが如月陽翔だって言いふらすから。そしたら、詩央くんも私も退学。退学先まで着いてく」


「マジキモいわ。それ以上話したら吐く」


「どうぞご自由に」


「どんな神経してるんだよ」


「皆さんと同じニューロンを持ち合わせて電気信号で脳まで運んでおります」


「はっはっは!んだよ、それ!はっはっは!」



わ、わ、笑った。


また笑ったよ。


私、すごくない?


天才じゃん。


あの堅物をトーク力で笑わせた。


お笑い芸人目指せるかも。



「退屈だから君と如月陽翔の出逢いを聞かせてくれ」


「リクエスト入りました!ではではお話し致しましょう。昔むかぁし、あるところにぃ......」