如月の空の下、光る君を見つけた。

「ぎゃぁっ!」


「何騒いでるんだよ。ははっ。...んふふふ...。落ち着け」


「笑ってる場合じゃないでしょ!助けてよ!怖いの!」



私はしゃがみこもうとしたが、何かに肘をぶつけた。



「いっ、たぁ...」


「バカだな、ほんと。スマホのライト使えよ」


「そんなのバカだから思い付かないの!ほんと、最悪っ!」


「そんな可哀想な君に如月陽翔からプレゼントだ」



えっ?


ちょ、ちょ、ちょっと待って。


私の右手...温かい。


もしかして...。



「こうすれば怖くないだろ?」


「えっと、えっと...その...」


「ってアイツなら言うだろうな」



握られた手が怖いくらい汗ばんでくる。


さっきまでなんともなかったのに急に脈が速くなり、心臓がバクバクいって送られた血液が右手に全集中して熱を帯びているように感じる。


ヤバい。


昇天しそう。


なんならこのまま雷に打たれて一緒に三途の川を越えられたら...。