如月の空の下、光る君を見つけた。

「あっ!」


「なんだよ。急に大声出すな」


「聞きたいことがあるんだけど、後少しお時間頂けますぅ?」


「忙しい。暇な時は基本的にないから話し掛けなくていい。前にも関わるなっていったはずだ」


「うん、覚えてるよ。忘れてはいないんだけどね、やっぱりお話ししたいなって。せっかく同じ高校の同じクラスになったんだから話してみたいなって、そう思ってる」


「それは、オレが芸能人だからだろ。オレが一般人であんな感じだったら話しかけてないだろ」



う~ん。


そう言われるとそうかもなぁ。


正論を言われたらどう反論したらいいものか...。


悩みますな。



「今度こそ帰る」


「待ってよ。話してない!」


「うるせえな。ブスは黙ってろ」


「ブスブス言いやがって!そんなこと言う人は一般人だったら許されてないから。うん、確かにそうよ。詩央くんの言う通り芸能人じゃなかったら話しかけてない。だったら、よかったじゃん。芸能人だったから私に話しかけてもらえて、かまってもらえて良かったんだよ」


「良くなんてない。名前の通りピーチクパーチクうるさいやつに付きまとわれるのは勘弁だ。マジで帰りたい。帰らせてくれ」


「そんなのやだね。私は詩央くんの奴隷じゃない。二葉ことりはうるさいけど真っ直ぐに飛んでいくカッコいい鳥なの」