「おっはよ~」


「おはよう。今日は宿題やって来たんでしょうね?」


「うん、まぁちょっと」


「ちょっとって何よ。全部やらなきゃダメでしょう?」


「一応やったんだから誉めてよ」


「誉めるに値しない。話してないでさっさとやりな」


「はぁい」



いやぁ、厳しい厳しい。


何でみっちゃんはこんな厳しいんだろう。


ストイック過ぎるよ、ホント。


しかし、見放されるわけにはいかないから私は席に戻り、真面目にペンを動かした。


はて、陽翔くんはいつくるのかな?


早く来てほしいな。


会ったら何を話そう。


やっぱりずっと好きなんだってこと正直に言った方がいいかな?


仕事上付き合うのは難しいけれど、好きになってもらうことは出来るよね?


そしていつかは、あんなことや...こんなことや...。



「キャーッ!」



やっば。


叫んでしまった...。


私ったらなんてことを...。



「二葉さんうるさい」


「マジ朝からヲタクの悲鳴聞きたくないんどけど」


「どうせ妄想でもして喜んでたんでしょう?」



イケイケ女子にはっはっはと高笑いされ、私は体を丸くし、俯くしかなかった。


遠くからみっちゃんも睨んでいるに違いない。


今度こそ見放される。


一生の終わりだ。


私は今サスペンスドラマ常連の断崖絶壁に立たされているんだ。


そこで自ら命を...。