「相変わらず弱いよね、あのお局たち。どうせ逃げるなら喧嘩なんか売らなきゃいいのにさ。」
赤いミニスカートのドレスにダイヤのネックレスを首からさげた茶髪のめいが吐き捨てるように言った。
それに続いて黒いロングスカートに真珠のピアスをしたショートカットで滑らかな銀髪のゆいが付け足す。
「気にしなくていいよ、りん。ああいう奴らは人を見下してしか生きられない人間なんだからさっ。」
この2人はいつも私を守ってくれる。ひとりぼっちで何の力もない私を。
大切な…大切な…仲間です。
そう、友達。
「いつもありがとうね、おふたりさん。」
私がいつものようにお礼を言うと、
「りんばあちゃん出た〜」
「りんはおばあちゃんみたいな話し方だよね〜」
なんて、他愛もない冗談で毎回笑いあっていた。
2人にとっては小さなことかもしれないけれど、私にとっては大きな出来事だ。
今まで守られてきたことなんてなかった。1人で生きてきたとまでは言わないけれど唯一の心の支えが夢だった。
夢はなんだって叶えてくれた。空を飛びたいと願えば鷹になって空を飛び、お肉が食べたいと願えば焼肉を好きなだけ食べるという夢が見られた。