初めてあった時と見違えるほど龍族の知識がついている。本当に優秀なのではないかクロウは。
「ほんとだ…これ持って帰りなよクロウ」
金はこの世界ではもっと貴重な物らしい。身につけられるのは皇族だけと決まっている。
「無理だよこんなに大きいの。おれが3人分じゃないか。」
クロウが小さいだけだよ、と冗談を言いながら爪で端を削り出した。よく見るとクロウの身につけているローブはボロボロでダメージジーンズを大袈裟にしたような破れ方をしていた。
「クロウ、この黄金を売って新しい服と食べ物を買ってきてよ。私も久しぶりにお肉が食べたいよ」
私はしばらく湖の魚を食べて生活していた。この体になってから焼き魚よりも生魚の方が美味しく感じる…皮肉なものだ。順応してきてしまっているということが分かる。
「いいの?!ありがとう!アラン!」
嬉しそうにはしゃぐクロウになるべく多くの黄金を持たせようと細かくそして沢山袋に詰めてやった。
「いっぱい買ってくるから待ってろよ!」
その幸せそうな後ろ姿をいつまでも見つめていた。