その帰り道、私たちは街にできた新しいアイスクリーム屋さんへ行った。



店内は可愛くデザインされていて、高校生の心を掴むには最高だ


「真菜〜決まった?」


「私はストロベリーにしよっかな」


「夏恋は?」


「んーキャラメルも美味しそうだけど、チョコチップも美味しそう!この際思い切ってダブルにしちゃおっかな〜!」


「出た出た、ほんと夏恋って食べ物に対して目がないよね〜この前2キロ太ったって泣きついてたくせに」


「げっ...」



どうなんだ?と言いたげな真菜の視線はこれでもかと言うほど痛かった



なんでこうも真菜は記憶力がいいんだろう、確かに最近は外で食べるが多くて太った


「ははは、やっぱりキャラメルだけにします...」


真菜の鋭さには苦笑いしか出なかった



無事2人分のアイスクリームを買い、私たちは店内の席に座り他愛のない話を広げた



私はこの時間が大好きだ



内容なんて薄っぺらくて、あの子が付き合ったとか別れたとか、誰と誰が喧嘩中だとか



そんなどうでもいい話をダラダラと永遠に喋っていられる。



逆に内容のある話なんて3分の1もないんじゃないかな?



ちょうどアイスクリームを食べ終えた時だった



「そういえば最近ね、和樹が言ってたんだけど、神崎先輩が学校に戻ってきたんだって。夏恋知ってた?」


...神崎先輩?え、それってさっきの?



さっき私を思いっきり、これでもかっていうくらい睨んできた人?


「さっき体育館の入り口行った時、ちゃんと見ておけばよかった〜」


「え...ねえ、神崎先輩ってどんな顔?」


私は思ったことをそのまま聞いた


「どんな顔って、和樹の友達の中で1番かっこいいかな?それで...目が特徴的っていうか
冷たい?あの目で睨まれたら殺されそうっ」



真菜のその答えは、さっき私を睨んできたのが神崎先輩だと肯定するようだった



「あ!和樹達でも神崎先輩の笑った顔、2回くらいしか見たことないとか言ってたよ」


そんな笑う人じゃないみたい〜と言う真菜を置いて私はポカーンと口を開けていた


「ちょっww夏恋、その顔やめな!」


「え?あ、ごめん」


「で、なんでそんなこと聞いてくるの?
もしかして夏恋、神崎先輩のこと知らない?」


ブンブンと首を縦に振る私を見て、真菜はとても驚いたようだった