言い方は良くないけど、闇取引が行われていそうな場所にやってきた。


地下だから仕方がないのかもしれないけどそれにしても薄気味悪い。


八代先輩が言うにはここは500人収容出来るからわりと広めのステージらしい。


昔母と見に行ったミュージカルは1万人収容だったからその20分の1ってことか。


やはり小さいし治安が悪い。



「ねぇさあやん。なんかさっきからあのおじさん、さあやんのこと見てくるんだけど」


「ボクもそう思う。ボクと凜くんの間に朱鷺田さんを入れよう。なんかあったら言ってね」


「はい...」



こんなところで変なことされたら大変だ。


逃げようにも逃げられないし、凜くんにべったりくっついているしか無さそう。



「やったぁ!さあやんと腕組みぃ」


「黄海くん黙って。もう始まる」