いつもと同じ作業場。


いつもと同じ仕事。




私の作業場の隣には、


1つ上の男の先輩がいる。




あまり、絡みはないし、


向こうも無口な人だが、




職場の人の話によれば、


彼女がいるのだという。




「へえー、そうなんですかー。


確かに◯◯先輩イケメンだし、


無口なところも


クールでかっこよく


見えますよね」





そう。かっこいい人だけど、



私は恋心を抱いたことはない。







なのに、



なのに、



なのに、




なのにっっ!!!




なんで?なんで??なんでだ??





作業場でどこを見ても、何をしても、



なぜか、なぜか、





先輩が視界に入ってくる。



驚くほどに偶然に。



何も意識していないのに、



先輩の姿が視界に入ってくる。





いや、あのね、違うんです。



そうじゃないんです。



違うんです。





(…………あ、やべっ、



目合っちった)





そんなつもりはないんです。



色目を使ってるわけじゃないんです。



本当に本当に本当に、



たまたまなんです。



下心なんてございません。



神に誓ってもいいです。




(わーーーーー!



神に誓った途端



また目が合ってしまった)





あーどうか、
私に濡れ衣を着せないでください。




対策の仕様がないのです。



ずっと目線を天井に向けるぐらいしか、



できることがないのです。



でも仕事中そんなことをしていたら



私は"目逝ってるヤバい人"に



なってしまうのです。




あー疑わないでください。



こいつまさか…………



なんて疑わないでください。



本当は今すぐにでも



windowsのPowerPoint使って



プレゼンテーションを行って



誤解を解きたいぐらいなんです。




ああ、毛虫を見るような目で



私を見ないでください。




違うんです…………。



本当に…………。





そうじゃないんです…………。




違うんです……………。