翌朝。



「ん?」



枕元の時計を見て跳ね起きた。


なんと8時半を過ぎていたのだ。


猛スピードでTシャツとジーパンに着替え、髪を1つに束ねて部屋を飛び出した。



「沼口さんすみません!完全に寝坊しました!」


「ときちゃんおはよう。熱はないのかい?かみやんからときちゃんが体調不良だから休ませてあげて下さいって言われたから起こさないでいたんだよ」


「いえ、でももう大丈夫です。階段掃除して来ますね」


「ときちゃん、掃除は黒ちゃんと凜ちゃんがやってくれたから大丈夫だよ。やつらが帰ったらお礼しておきな」


「はい」



みんな心配してくれたんだ...。


ただの頭痛なのに迷惑かけまくりだ。


反省しなきゃ。



「ときちゃん」


「はい」


「この仕事辛くないかい?」


「いえ、全然大丈夫です」


「本当に?」


「は、はい...」



仕事自体は辛くはない。


ただ、私がいることでここの寮生に悪い影響が出ないかとか考えたり、彼らを見て感じることで心の穴が開いて私の影を濃くしてしまってるのではと思うようになった。



「あたしで良ければいつでも話聞くし、話せる相手がいるなら話した方がいい。そうすれば少しはすっきりするよ」


「分かりました」