恋泥棒の犯行予告


「それができたら苦労しない! それに…」

「それに?」

「私、アイツの顔 “ だけ ” は好きなの!」


我ながら最低だとは思ってる。


だから私はアイツを遠くから眺めてるだけでよかったのに。

まさか告白されるなんて普通思わないじゃん。

そりゃその時は多少焦りもしたし、ドキッともしたけど……。


「そんなこと言いながら、まだ離さないんだ?俺的には早く別れてほしいんだけど」


そうやって興味なさそうな目で見つめられても、そのセリフだけで私の心臓は一瞬だけ跳ねる。


ほら、結局誰でもいいんでしょ、私。