「ひなー、かーえろー」 自分の鞄を右肩に、俺の鞄を左肩にかけた有が入り口で不貞腐れた顔をして立っていた。 「いいわよ、二神くん。頑張ってね」 「あ、はい。頑張ります」 時計を見ると、面談を始めてから20分しか経っていなかった。