机の上には、等しく置かれた模試の成績表。 「二神くん、こっちこっち」 奥の方から可愛らしい声に誘われる。 視線を向けた先には大きく手を振る新井先生。 まだ若いけれど(確か25歳くらいだったと思う……多分)進路指導は的確でうちの学校で重宝されているやり手の先生だ。 「すみません、少し遅れました」 「いいよ~。不破島くんなんか30分も遅れてきたんだから、それに比べれば何のことないよ」 有……あれだけ時間は守れって言ったのに……。