「海は信用ならん。六花、ほんとに大丈夫だった?」 「大丈夫だって。なんでそんなに心配してんのさ」 「ほんとにね。ヒナの彼女でもないのに」 耳元で小さく安堵のため息を漏らす日世。 ほんのりと漂ってくる不破島くんの香水の匂いが鼻孔をくすぐった。 「ゲームどうだった?」 「俺の全敗。アイツ強すぎる」 日世が肩にかけていたスクールバッグがずり落ちて、足元に落ちてきた。 大量の教科書が入っているせいで、打ち付けられた床が鈍い音を立てる。